●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は名古屋大学(理系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
国公立が試験を開始しました。同時開始なので、すべての大学を即日UP出来ませんが、今の時期は、国公立ラッシュのエントリーになると思います^^;
2014年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2014大学入試シリーズ第34弾。
国立シリーズ、第11弾。
名古屋大学(理系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
名古屋大学 理系数学
(試験時間150分、4問)
全体総評・合格ライン
昨年から難化。4問150分に似合う、1問1問が重たい問題で、昨年以上に典型パターンの問題がなく、逃げ道もないセット。今回は重い論証はありませんが、第3問は相当な計算力がないとかなり時間がかかり、第4問の確率も決して簡単ではありません。
試験時間150分に対し、
目標解答時間合計は145分。(昨年140分)
試験時間に対しては適量ですが、4問でこれだけかかりますから、じっくり考えて答えを出す癖をつけなければいけません。レベル的には東大と比べても遜色ないでしょう。
■合格ラインですが、
第1問は全体のセットを考えると、落とすわけにはいかない。やはり(3)に論証があり、どこまで論証できたか、キー問題。
第2問は4次方程式の作成で、これまた見たことのない目新しい問題。最初ができないとほぼ全滅で、キー問題。
第3問は数学Ⅲの微積総合と極限。微積のテクニック、計算力が両方とも必要で、厳しい。
第4問は確率。全数調査を強いられながら、規則もきいてくるという強烈な問題で、出来ても(2)まで。(3)は厳しい。
半分行けばいいのでは、と思ってしまうようなセットです。
☆第1問・・・微分法の応用、方程式の解の個数、有理数解(BC、30分、Lv.3)
方程式の有理数解です。そこまで難しい関数ではありませんが、(3)の有理数解は少し難しいと思います。しかし、全体のセットを考えると、絶対に(2)までは取りたいところです。
(3)は、x=2,4はすぐに見つかります。負の有理数解を持つとして既約分数で置いたときに矛盾が見つかるように変形していけばOKでした^^
※KATSUYAの解いた感想
今年も最初から重いな。(2)まではグラフと増減表などでさくっと終了。(3)は、2,4以外にないことをどうやっていうか。有理数解やから既約分数おきで矛盾やな。√2の証明と同じはず。解答時間15分。
☆第2問・・・4次方程式の作成と解の大小(BC、30分、Lv.2)
4次方程式の解の作成です。作る方はどうってことない問題ですが、出来あがったものを戻すには発想力がいります。(1)ができないとアウトで、非常に怖い問題です。
√ があるものは、基本的に√ ありとなし に分けます。2重根号があるなら、その「ある」「なし」で左辺と右辺に分けるとよかったです。両辺2乗しても、√13しか残らないところがミソ。2重根号の数字はうまく調整されています・
(2)はつくった4次方程式をそのまま戻して、2つの2次方程式を解けばOKです。4次方程式は解が高々4個なので、それ以外は解にはなりません。
最後の大小は、適当に数字を評価して予想しましょう。全部+のときが最大なのは目に見えていますので、大小が予想出来たら実際に引き算すればOK。
※KATSUYAの解いた感想
なんじゃこりゃ?4次方程式の作成か。2重根号かけると 81-68=13 √13 もある。なるほどなるほど^^ となり、(2)までさくっと終了。(3)は+ばっかりのものは無視で、あとの3つは適当に値を代入。やっぱり√のおおよその値を知っていることは役に立つ。解答時間18分。
☆第3問・・・微積分総合、接線、面積、不等式、極限(C、45分、Lv.2)
y=e^x とy=tx が2点で交わること前提に、その交点の座標を用いて面積比を求める問題。交点は当然もとまるはずもなく、さらにそれらにおける接線の交点まで出します。式と式とのつながりをしっかり見ていかないと、最後まで辿りつくのは至難の業。
とりあえず、e^α などが出てきたら、tα などで置き換えていかないと、おそらくS2の計算で絶句したことでしょう。ただし、置き換えれたとしても計算マラソンを強いられます。
また、(1)のマラソンができても、(2)ではまだ場内のトラックが残ります。交点の位置を評価する問題ですが、これは e^x-tx=f(x)の増減表を書くことによって得られます。やはり、不等式の証明は差をとって微分ですね^^
(Principle Piece 数学III 微分法の応用 pp.44-47)
増減表を書く際には、極値をとる x の他に、e/t 、2logt も入れておくと答案としてまとまりがよさそうですね^^ 別に増減表は極値以外書いてはいけないものではありませんので。 なお、2f(log t)が正になることを言うのに、やはり微分が必要です。 結構ながいですね^^;
※KATSUYAの解いた感想
関数は単純。でも、交点出ないから計算は文字計算って感じか。え、接線の交点も出てくるの?かなり複雑じゃない?? 実際に交点を出し、最初はe^α などを残したままにし、S2の計算ではカオスを予感。絶対やりたくないぞ。何か忘れてないか、オレ。そもそも、αは他に比べて何が特別なんだっけ?交点やからtαに置き換えれるのか。これで少しは楽・・・じゃなかった。計算長い。。。 (2)はすぐなのか^^ いや、意外と証明にはかかるわ。極限はαβ→0のはさみうちで終了。解答時間26分。
☆第4問・・・確率、石の移動(C、40分、Lv.2)
割と難易度の高い確率の問題です。1,2,3,4,5への移動しかありませんが、端っこにいるときはかならず数字のある方へ移動します。現象としては自然ですが、この現象によって本問は難易度が格段に上がっています。
たとえば、(1)の「1」にいる確率は、+++---と出た時と、+-++-+と出た時と、+-+-+-と出たときでは確率が全て違います。途中で1をふむと、確率が1/2でなくなるのがとにかくクセ者。
なので、(1)は全数調査でしょう。少しやっていれば、2,4にはいないと分かります。「3」にいる「確率は余事象がjはやいでしょう。
(2)の方がラクかもしれません。1回でも「5」まで行けばいいわけです。(1)の確率も少し使えます。
そして全数調査に頼った結果、(3)でまた詰まってしまうという流れです。n回で聞かれているので、式を立てることを要求されます。1,2,3、の間しかうろちょろできないことに注意。その中で、奇数回目が絶対「2」しかあり得ないことに着目すると、見えてきたと思います。2→3→2 の動きが「少なくとも1回」あればOKなわけです。余事象ですね^^
(Principle Piece 数学A 集合と場合の数 pp.21-22)
「2→3→2」の動きは2回あるので、nの偶奇数で分ける必要もあり、ちょっと難しいですね。
※KATSUYAの解いた感想
算ルールと回数からみて、全数チェックの方が時間はかかったとしても間違いは少ないやろな。2,4には止まらないことを断わって、基本は書き出し「3」は余事象。(2)は(1)の一部なので楽勝。問題は(3)。n回と来たか。ちょうど3点ってことは4に行けないのね。じゃあ奇数回目が絶対2だから、、、と考え、上記解法に行きつく。漸化式を解くわけでもないけど。結構時間かかった。解答時間23分。
対策
名大の対策のポイントは、じっくり思考パターンで、解法が思いつけば、やること1つ1つは、どこかでやったことがある典型パターンになります。確実に得点するためには、そのパターンを確実にクリアする必要があり、量をこなした演習が必要です。加えて、みたことのない創作問題に対して、適切に原則を引っ張り出してくるための、じっくり思考練習もしておく必要がありますね。^^
過去の名大の評価も参考にしてください。
>> 2010年の名大 理系 数学
>> 2011年の名大 理系 数学
>> 2012年の名大 理系 数学
>> 2013年の名大 理系 数学
>> 2014年の名大 理系 数学
以上です^^ 次回は、名古屋大学(文系)です。
>> 今年の他の大学も見てみる
■関連するPrinciple Piece■
★ 数学III 微分法の応用(第1、3問)
★ 数学II 式と証明 (第2問)
★ 数学A 確率 (第4問)
★ 数学A 集合と場合の数 (第4問)
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