●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は東北大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
国公立が試験を開始しました。同時開始なので、すべての大学を即日UP出来ませんが、今の時期は、国公立ラッシュのエントリーになると思います^^;
2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2015大学入試シリーズ第33弾。
国立シリーズ、第10弾。
東北大 (文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
東北大学 文系数学
(試験時間100分、4問)
全体総評・合格ライン
昨年と変化なしです。文理共通の問題が2問あり、1つは厳しく、もうひとつは理系より問題が少なくて難易度ダウン。残り2問の方ができが分かれるかもしれません。出題分野は、相変わらずI、II、A、Bからバランスよく出ています。
試験時間100分に対し、
目標解答時間合計は100分。 (昨年は110分)
量としては適量。ですが、やや計算量が多いので処理に手間取ると時間切れに。
■合格ラインですが、
第1問の数列は(1)の変形が一番のポイントか。ここができないと全滅するので、キー問題。
第2問は文理共通。(2)までは行けるが、(3)は厳しいか。荒い議論でも答えにはいきたいが、、、
第3問の確率は全体のセットを考えると、落としたくないレベル。理系にあった(3)がないので、かなりラクになっている。
第4問は1つ1つ誘導に従えば最後までたどりつけるはずだが、こちらも(1)が出来ないと全滅でキー問題。
第2問は(2)まで、第3問は確保。残り時間で、第4問か第1問のどちらかに時間をさいて、最後まで解き切れれば60%ぐらいがボーダーでしょうか。
☆第1問・・・数列、3項間漸化式(B、25分、Lv.2)
与えられている漸化式は2項間ですが、(1)で3項間に帰着させます。3項間に定数がくっついていますが、(2)の誘導のように考えると定数は消えますので、普通の3項間となります。基本的に階差をとれば余計な式の次数は下げられます。
3項間は、もちろん特性方程式で解きますね^^
なお、今回は「1」で重解となりますので、bnの階差が定数となり、bnは等差だとすぐに分かります。b1とb2を出せばOKです。たぶんb1とb2の計算の方が時間かかります。a3まで出さないといけませんので^^;
(3)はbn→an なので、階差の公式にあてはめればOKです。
※KATSUYAの解いた感想
(1)・・・条件は2項間なのに、3項間になおすのか。じゃあnを1個上げて並べて辺々引き算かな。たぶんa(n)-a(n+2)とかで括れるはず。真ん中の条件はそこで使うと見た。ドンぴしゃで括れたので割り、(1)終了。しっぽつきの3項間やからたぶん階差をとるのかなぁ、、、(2)を見て「やっぱり^^」予想があたると気持ちがいい。それよりもb1、b2の計算に解答時間の半分を使ったな^^; 解答時間9分。
☆第2問・・・図形と式、垂心の座標、折り曲げ四面体の体積(BC、30分、Lv.2)
※ 理系と共通ですので、理系のエントリーをご覧ください。これは文系には少し厳しいですね。なぜこれを共通問題にしたのか。。。
☆第3問・・・確率、サイコロの目を係数にもつ方程式(B、15分、Lv.2)
こちらも、理系と共通問題です。文系は(2)までなので、最後まで調査してしまえばすぐに出せてしまいます。(3)がないとかなりラク。
☆第4問・・・微分法、定数入り3次関数の最大値、式の最小値(BC、30分、Lv.2)
定数入り3次関数の最大値を場合分けさせてグラフ化し、そのグラフを元に別の式の値の最小値を求める問題です。
問題は誘導で刻まれていますので、見通しは立つとは思いますが、(1)の3次関数の場合分けは2次関数のときよりも難しいので、ここができずに総崩れする可能性があります。
2次関数は軸で分けています。それは、微分してゼロになるところです。ですので、3次関数もそこがポイントとなります。0≦t≦1の範囲では取る可能性があるのは極大値のみなので、それを取る「t」が1より大きいか小さいかで分ければできたでしょう。 ちょっと式が複雑。
(2)は、その式を2乗さえて√ を取り、グラフ化させます。グラフはわりとシンプルな右上がりの曲線ですが、原点を通る接線なので接点を置いて(0,0)を代入する 作業を、両方の曲線で行う必要がありますので、時間はかかります。(片方はダメになります)
最後の(3)は(2)がもろに使えますが、気づけたでしょうか。kではなく、k^2 で考えると、y=M(x)^2 とy=k^2x が 共有点を持つ条件に帰着できます。 後者は原点を通る直線なので、(2)で出した傾きが、k^2の最小値となるわけですね^^
普段から視覚化で解くのが好みである人は気づきやすいと思いますが、、、どうだったでしょうか。
(Principle Piece 数学I 2次関数 p.45)
※KATSUYAの解いた感想
(1)は場合分け。(1)がまあまあやから、これできないと全滅やな。(2)は接点おいて方程式をとく。微分係数出すのは理系やと簡単やけど。文系やとまあまあメンドクサイな。(3)は(2)もあるし、2乗して視覚化と気づく。視覚化を好んで使うので、すぐに気付いた。解答時間18分。
対策
頻出分野は、確率、微積分(Ⅱ)です。確率は毎年でます。漸化式絡みも出ますので、演習量を確保しておきましょう。
ここ数年は穏やかな問題が続いていますが、2010年のような大物セットの年もありますので、量の演習+じっくり演習をバランスよく行っておきましょう。(8:2ぐらいがいいです^^) 特に数学IIの問題は総合的に効いてくるので。単問だけが載っている問題集だけでなく、入試問題集タイプの演習も忘れずに。
>> 2010年の東北大 文系 数学
>> 2011年の東北大 文系 数学
>> 2012年の東北大 文系 数学
>> 2013年の東北大 文系 数学
>> 2014年の東北大 文系 数学
以上です^^ 次回は、名古屋大学(理系)です。
>> 今年の他の大学も見てみる
■関連するPrinciple Piece■
★ 数学B 数列(第1問)
★ 数学A 確率 (第3問)
★ 数学II 微分 (第4問)
★ 数学I 数と式 (第4問)
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