●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は京都大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2015大学入試シリーズ第27弾。
国立シリーズ、第4弾。
京都大学(文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
京都大学 文系数学
(試験時間120分、5問)
全体総評・合格ライン
難化です。東大京大そろって、文系は難化。理系以上に誘導が少なく(というか皆無です)、また場合分けの発生する問題もあり、かなり点数をとりづらいセットです。理系との共通、類似問題はともに理系向けで、かなりつらいです。片方は理系でも捨て問確定なので、文系だとなおさらです。
試験時間120分に対し、
目標解答時間合計は175分。(昨年は110分)
大幅に時間をオーバーしていますが、第5問で80分とっていますので、実質95分です。
■合格ラインですが、
第1問は全体のセットを考えると抑えたい。領域がいびつでとまどったかも。
第2問はキー問題。図形の場合分けは差がつきそう。
第3問もキー問題。文系のみの確率ですが、うまく調査しないと過不足なく数えられない。
第4問はただの解の存在範囲への帰着ですが、そこに気づくことが難しい。できない人の方が多いか。
第5問は理系でも捨て問なので、早々に見切った人が吉。
50%でも、足を引っ張ることはないのではないでしょうか。60%あれば御の字で安心でしょう。
第1問・・・条件を満たす存在領域、面積(B、20分、Lv.2)
本セットでは最も手の付けやすい問題ですが、領域がいびつなので少々てまどったかもしれません。前半はいいですが、後半の交わらない条件が少し考えさせられます。傾きpがー2~2にあって、折れるところでpx+qの方がしたにあればOKです。そのことを記述すれば問題ないでしょう。
領域が出れば面積は楽勝ですね^^
※KATSUYAの解いた感想
片方は判別式で終了。もう片方は、、、変な条件。折れるところで下にあって、、、あ、傾きもだな。急な傾きだと交わってしまう。なんか境界線離れまくってるしいびつ。でも間違っていない以上、これでやる。解答時間12分。
☆第2問・・・四角形の面積の最小値(BC、25分、Lv.2)
理系と共通なので、理系の方をご覧下さい(1つ前のエントリーです)
次は、接線の本数に関する原則。本問のためにあるような原則です^^
(Principle Piece 数学Ⅱ 微分(2冊目) pp.8~10)
☆第3問・・・確率、経路(B、25分、Lv.2)
各線分が通れるか通れないかが半々で、点Aから点Eにたどりつけるかどうかを判断する問題。類題経験はあると思いますが、形によって臨機応変に場合分けしなければいけませんので、差がつくタイプ。確率の知識だけで解けますので、訓練のために、来年の受験生は練習してみましょう。
私はいつも、出発点からすぐそばの道が○か×かで分けます。両方×、片方○(2つ)、両方○ です。どちらでも関係ない場合は△、それ以外に条件があるときは□で置き、計算していきます。
n=0,2,4と聞いていますが、これを足せば確率は1になりますので、n=0は最後に余事象でやるのがいいでしょう。聞き方としては自然な流れなだけに、ちょっとやらしい。
※KATSUYAの解いた感想
○×の経路系か。丁寧に場合分けすればすむ。n=0は余事象と地道の両方でやり、検算も終了。確率は地道にやらないと検算難しいので。地道にやっているときのタイムロスで、解答時間18分。
☆第4問・・・空間ベクトル、球との交点、存在範囲(C、25分、Lv.2)
球面上の点と定点を通る直線が、xy平面と交わったときの交点の存在範囲です。第1問もそうでしたが、存在範囲好きですね^^;
誘導もなく、理系でも差がつく問題。まずはR(x、y、0)とP(1、0、2)を通る直線を、パラメータ t でベクトル表示できたかどうかです。1-t、tを用いるパターンですね^^
それが球面上に存在するので、球面の式に代入します。その方程式の実数解が存在する範囲として出せばOKだったわけですね^^ 「t」には制限もありませんので、ただの判別式なのですが。気づくのが少し難しい。
しかも、x、yがひっくり返っているので、文系の範囲外感が否めません。なぜ、Pを点(0、1、2)にしなかったのでしょう。。。
※KATSUYAの解いた感想
んーと、たぶん放物線だな。PR上の点をtで出して、球面式に代入して存在条件だな。球面の式の右辺をうっかりゼロと書いてしまい、中心しか出てこなくて 「は??なんで^^;」 となる。中心しか出ないってことは半径ゼロになって、、、るやん。凡ミスした。ロスして解答時間20分。
☆第5問-整式、割り切れることの証明(DE、80分、Lv.MAX)
理系とほぼ共通の、大物の論証系問題です。理系は実数、文系は有理数となっていますが、十分大きな「n」を考えることに変わりはなく、難易度は相変わらず超高校級で、捨て問確定。 詳細は理系の方でご覧下さい。(1個前のエントリーです)
対策
大物論証系は見極めて捨てる方が優先。それ以外も今年は難化していますが、このレベルに照準をあてて勉強をしておけば安心できます。文系の場合は、難しい問題を解くのではなく、標準問題を絶対に落とさないようにすることが大事です。チャートのようなものはきちんとこなし、誘導がない場合は、自分なりにステップを分け、「ああ、このステップは青チャートの重要例題にあったあれだな」と思えるような勉強が効率的でしょう。
オススメの問題集等は、こちらをご覧ください。
>> 2010年の京都大学(文系)数学
>> 2011年の京都大学(文系)数学
>> 2012年の京都大学(文系)数学
>> 2013年の京都大学(文系)数学
また、過去問ですが、理系との共通問題含め、理系の過去問でⅠⅡABの部分は演習する価値があります。友達で理系を受ける人がいたら、ちょっとかしてもらいましょう。
以上です^^ 次回は、大阪大学(理系)です。間があくので、先に概要を発表するかもしれません。
>> 今年の他の大学も見てみる
■関連するPrinciple Piece■
★ 数学Ⅱ 積分 (第1問)
★ 数学Ⅱ 図形と式 (第2問)
★ 数学A 確率 (第3問)
★ 数学B ベクトル (第4問)
★ 数学Ⅰ 2次関数 (第4問)
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