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【速報】早稲田大学 理工学部 | 2015年大学入試数学

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●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(理工)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^


2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2015大学入試シリーズ第19弾。

私大シリーズ、第19弾。

早稲田大学(理工)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、

典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


難易度の指標は、こんな感じです。


 

D・・・難関大学でも難しい部類の問題。

E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの

標準的な時間です。



したがって、

目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える

ことも、当然ありえます。



同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、

ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。




早稲田大学 理工学部 

(試験時間120分、5問)


全体総評・合格ライン

昨年より難化しました。第2問、第4問は手をつけやすそうで詰まってしまったり、最後の第5問は式をみてごつそうに見えるものの実はただの計算問題だったりと、「見た目で判断してはいけない」という説教をされているようなセットで、点数が伸びにくかったと思われます。




試験時間120分に対し、
目標解答時間合計は150分。←穴埋め考慮
(昨年は135分)


制限時間30分オーバーです。考え込んでしまうと一気に時間が過ぎてしまいます。第2問は後回しにし、第5問の見掛け倒しに気づいて先に手をつけれたかどうかが、ポイントの1つになってくるでしょう。




■合格ラインですが、

第1問、第3問、第5問の微積は全体のセットを考えると落とせません。

第2問、第4問は割と難しいですので、どちらもつまみ食い程度になるかと思われます。
第1,3,5問がしっかりおさえれていれば合わせて1完なくてもなんとかなります。

第1,3,5問+第2問(1)、第4問(1)、(2)でうまく時間配分できたとして
65%ぐらいでしょうか。ということは6割でもよさそうですね。






☆第1問・・・微分法応用、媒介変数表示、接線など(B、30分、Lv.2)


最初は割と穏やかな関数が題材ですが、曲線の概形を2回も書かされるため、計算量はそれなりに多い問題です。

(1)、(2)ともに、グラフの増減、凹凸、+∞、-∞などの端っこにおける極限値などを調べて書く必要があります。(1)はまだましですが、(2)ではx=f’(t)、y=f(t)ーtf’(t) のそれぞれについてtで微分、さらに凹凸を求めるためにd^2y/dx^2 を計算する必要が出てきます。計算力勝負、といったところです。


本学受験者であればまず間違えることはないかと思いますが、媒介変数表示におけるd^2y/dx^2 も、d/dx(dy/dx)できちんと計算します。x、yをtで2回微分して、その比をとったりはしてませんよね。




Principle Piece Ⅲ-29媒介変数表示における凹凸調査は注意


(Principle Piece 数学Ⅲ 微分法)




(2)までの計算が正確にできれば、(3)は楽勝です。なお、(2)の曲線はアステロイドの第1証言となります。(3)の証明内容からしても、予想がついたと思います。





※KATSUYAの解いた感想

概形2回もかかされるんかぁ。何回も微分してると結構メンドクサイ。。。ただの計算問題と判断し、粛々と進めて終了。この学校、特殊な関数の特殊ない性質を聞いてくるの、好きだな。前もこんなんあった気がする。 解答時間18分。







☆第2問・・・不等式と整数解、ペル方程式(C、35分、Lv.3)

本セット最難問かと思われる。ペル方程式を題材とした証明問題です。(1)は誘導に従って計算すれば出るかと思われますが、(2)では(1)は全く使わず、(3)の途中で使います。

(2)で(1)をどう使うんだろう・・・と考え込んでしまうと、時間が過ぎていきます。

(2)は実は、力押しで調査です。もとの不等式の逆数が、いわゆる共役(的)無理数になることを利用します。有理化すると、すべて分母が1になりますので。


元の不等式と逆数に関する不等式を足し引きすることで、x、yの範囲が絞れますので、そこからx^2-2y^2=1 に当てはまるものだけを探す、ということになります。ここで(1)が役に立たないというのが、本問を難しくしています。



(3)は、(2)ができれば、、、と言いたいところですが、数学的帰納法だと気づかないと難しいでしょう。nに関する証明なので、まずこれを思いつくところが第1ステップです。




Principle Piece B-22帰納法は次のようなときに使える
[1] nに関する証明である
[2] 結果が分かっている、推測できる


(Principle Piece 数学B 数列、pp.50-57)



n=1のときは(2)そのものです。n=k のときを仮定は、中辺が右辺そのものであるという仮定します。その上で、各辺に(3+2√2)をかければOK。中辺に対して、(1)の事実を使えば、かけ算した結果も●+▲√2となり、●^2-2▲^2=1 を満たすので、結局右辺と等しくなるわけですね^^








※KATSUYAの解いた感想

ペル方程式か。なんか似たような題材を見たことがある気がするが。。。(1)は計算するだけ。√2が無理数であることは、、、さすがに使って・・・・ああなんだ、答えのみか^^; (2)は逆数が早そうだな。数字そんなに大きくないし。(3)は(2)を利用。逆数を取る、という操作に気づくかどうかがポイントになりそう。解答時間18分。










第3問・・・2次方程式の共通解、面積の最小値(B、25分、Lv.2)


こちらは2次方程式の共通解を題材とした問題です。言われていることをつらつら式で計算していけば、何をやっているかはよくわからなくても最後までたどり着きそうな問題です。


最初は、当然共通解をαとおいて連立方程式を立て、最高次の項を消します。高校数学の最初の方に出てくる原則ですが、大事です^^



Principle Piece I-112次方程式の共通解は連立して2次の項を消す


(Principle Piece 数学Ⅰ 数と式、p.23)



これにより共通解が決定し、共通解を代入すればaとbの関係式が出ます。なお、今回は引き算することで α(2α+a+b)=0 として、f(0)=g(0)=1 から α≠0 としても出ます^^


(2)は、まず共通解が ー(a+b)/2 であることを利用し、接線の方程式を出します。その接線とy=g(x)はx=α で交わるので、連立すれば(x-α)(x-●)=0 の形に出来ます。あとは、解と係数の関係でもなんでも出来ます。


面積はいつもどおりの公式を使います^^



Principle Piece II-112放物線と直線ならa/6(αーβ)^3 で


(Principle Piece 数学II 積分 p.29)




結局、その分子は (-2α)^3=(a+b)^3 となります。(1)の関係式でaをbに置き換えますが、明らかにbについて単調増加関数ですから、微分するまでも無くb=0のとき
(このときa=2)に最小となりますね^^




※KATSUYAの解いた感想

共通解条件は原則に従うだけで簡単。次は、、、なんか手順多いけど、とりあえず接線の式出す→g(x)との交点出す→例の公式で面積出す→微分して最小値 って感じかな。交点はどちらも(x-a)を因数に持つことを利用しよう。面積は、、、微分するまでもなかったわ。解答時間16分。









☆第4問・・・確率と極限(e絡み)(C、35分、Lv.2)


ルールが少し複雑な確率の問題です。Aはあらかじめ1~Nの数字のどれかを「心に秘めておく」ということですね。ってことでカード引かなくてもいいです^^;


Bが引いた数字によって、「以下」「上」と答えてくれるわけですが、「上」と答えたときは、Aのほうが小さいということです。ただし、「以下」と答えたときは、「等しいか、Aのほうが上」です。このあたりが少し混乱します。


また、n回「以下」で判明する確率なので、当然nが増えるごとに確率は増えます。これを見逃すと全滅です。


(1)(2)は、一般化する準備をしてもらおうという意図があるのは分かりますが、ここからKの値によってある程度場合わけの必要な(3)に飛ぶのはかなり難しそうです。


とりあえず(1)と(2)は、「Bが引いたカード→Aの答え→Aが何を持っていると分かるか」と表でまとめるといいでしょう。

(1)であれば、こんな感じです^^ (本当は横に書き並べましたが、最近スマホ閲覧が多いみたいなので^^;)


Bが1 
→「以下」
→1か2か3


Bが2
→「上」
→1


Bが3
→「上」
→1か2



(2)も同じようにやればわかります。判明するには、2と3が両方とも、少なくとも1回は出ないとダメです。


(3)は状況の予想をつけるために、同じように表を書いてみるとよかったかもしれません。Kという数字を特定するには、BがKとK+1を両方ひかないとダメだと分かります。また、K=1のときは、「2」を、K=Nのときは「N」を引けば分かりますので、この2つだけは別扱いする必要があります。



この一般化は少しレベルが高いですね。さらに、「KとK+1を両方、少なくとも1回ひく確率」を出すには、「少なくとも1回」があるので、余事象です。



Principle Piece A-9「少なくとも・・・」と言えるなら補集合で


(Principle Piece 数学A 集合と場合の数 pp.21-22)




(3)が出来れば、(4)はおまけに近いかと思われます。(1-1/N)のような形が出てくるので、e絡みの極限となります。



Principle Piece III-26(1+1/●)^● の形をムリヤリ作る


(Principle Piece 数学III 微分法 )





※KATSUYAの解いた感想

なんだこのルール?(1)、(2)は表で整理して終了。(3)は(1),(2)でよく分からなかったので、N=10ぐらいで試す。結構ピンポイントで数字出さないと当てられないと判明し、余事象計算を利用して確率を計算。極限は原則に従ってさくっと終了。解答時間20分。










第5問・・・楕円回転体と表面積(B、25分、Lv.1)


本セットの中ではかなり穏やかな積分計算です。見た目はごつそうに見えますが、計算式が書かれていますし、ただ楕円の一部を回転させるだけなので、少なくとも(2)までは教科書の例題レベル。最後ということもあり、手がつかずに悔しかった人もいるかもしれません。

今年は問題の配置が意地悪でしたね^^;


(3)の表面積は当然範囲外なので公式が与えられており、そのため逆にあてはめるだけという、なんか習いたての問題の例題を解くような感覚です。最後まで積分計算オンリーで、突起すべきことはありません。


なお、表面積の積分計算では、円の一部とみなす積分があります。2√2sinθ と置換するよりもはるかに速いと思いますので、円の一部とみなして計算する方法もなれておきましょう^^



※KATSUYAの解いた感想

うわ、最後が一番簡単。というかただの計算問題やん。これもっと前半に持ってきてあげないと、手をつけてない受験生いそう。表面積なんて、あてはめるだけやからさらに簡単。上面底面忘れなければどうってことはないか。解答時間14分。





対策

まずは数学Ⅲまで含め、幅広く学習する必要があります。確率や微積は確実に出ますが、それ以外も平均的な頻度で出ます。型にはまった問題とそうでない問題のバランスも保たれています。

数学IIIは微積の計算力をしっかりUPさせておくことが肝要です。ⅠAIIBは型にはまっていないことも多いので、数研の入試問題集や過去問で演習を積みましょう。もちろん、先にパターンの習得が前提です。2年生の段階で青チャートIAIIBを終了させておきたいレベル。

第1志望が国公立で併願で受験する人は、形式や内容が独特なわけではないので、その第1志望の対策をしておけばそのまま対策になるでしょう。



 
以上です^^        





■他年度、他の大学の入試数学■

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>> 2013年
>> 2014年

>> 昨年度の慶応大学(理工)





■関連するPrinciple Piece■



★ 数学Ⅲ 微分(第1問)

★ 数学B 数列 (第2問)

★ 数学Ⅱ 微分 (第3問)
★ 数学Ⅱ 積分 (第3問)

★ 数学A  確率 (第4問)
★ 数学Ⅲ 極限 (第4問)

★ 数学Ⅲ 積分 (第5問)




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