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先日の、放物線から円に引いた接線と包絡線の問題の解答です。
解答
(一橋大 後期 2013)
解説
今回は放物線上の点から円に引いた接線、および t を含む直線がどんな円に常に接するか、という問題です。
(1)は、少し前のPiece CHECKでも紹介しました。こちらの原則です。接点を求める必要ないんでしたね。
(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.41、番号調整中)
具体的な答案・思考手順については、本エントリーの(1)、あるいはこちらのエントリーで確認してください。
一橋大の後期なので、原則としてはレベルが高いですが、この(1)は抜けておかないとマズイと思います。(2)は理系でもかなり骨が折れる問題で、「常にある円と接する」というのを、常に「ある点との距離が一定である」と読み替える必要があります。d=rの関係です。
当然、なぜ(0、-1/4)などという点がいきなり出てくるのか、という部分の説明が期待されるところですよね。この予想方法にはさまざまなやり方がありますが、最もオーソドックスなやり方は、「t」に適当な値を代入していくつか直線を調べ、その直線から等距離にあるものを特定することです。
例えば、t=4、t=ー4 で表される2直線はx軸に垂直な2本の直線になります。この2本に接するには、y軸上に中心を持ち、かつ半径が1/4である必要があるとわかります。さらに、t=0のときの直線も調べることで、(0,-1/4)か(0,-3/4)までは特定できます。
あとは、実際に点と直線の距離公式にあてはめて一定になるかどうか試してみればOKです。
背景:包絡線を求める
本問の背景は、「包絡線」です。今回の「t」を含む直線は、tをさまざまな値にすることで、(2)で求めた円を包むように接していく様子がわかります。
本問のタイプの超ひな型は、次のような問題です。
「直線:y=2tx-t^2 が通過する領域を図示せよ。」
本問自体はすぐに解けますが、ここからわかることは、この直線がy=x^2に接するように動いていくことです。従って、この直線の包絡線はy=x^2 です。
包絡線については、求め方があります。答案に書くのはかなりリスキーですが、本問のように答えが分かることで答案に結びつく例もありますので、知っておくとかなり強力でしょう^^
先ほどの問題を例にとります。まず、「t」で微分し、「=0」にして方程式をときます。2t-2x=0なので、t=x です。これを下の式に代入して「t」を消去すると得られます。
今回の問題でも「t」で微分して=0とすれば、t=ー4x/y とでます。(y≠0かどうかなど、細かい議論はムシ。どうせ答案に書かないので^^;) この「t」を代入して分母を払えば、答えの円が出ます。
いずれにしろ、「いくつか試して」「予想をする」能力は非常に大事です。特に超難関大レベルの場合は、何のタイプの問題で、どの原則を使わせたいのか不明なことも多いです。そんなときはいくつか試してみて、結局何をさせたいのかを判断していきましょう。
2.解けなくて、原則を知っていた人は、思考時間を長くする演習をしましょう。
3.解けなくて、原則も知らなかった人は、原則集めからやる必要があります。
Piece CHECKシリーズでは、出来あがった答案からは見えない部分を解説していくことで、「なぜそうやって解くのか」「いったいどこからそんな答案が生まれるのか」に答えていきます。
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